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Aug 27, 2025

ボルドーワイン完全ガイド|特徴・当たり年・格付け・おすすめの楽しみ方

ボルドーワインと聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか? 高級な赤ワイン、難しい各付け……。そのようなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

確かにボルドーは高級ワインを生み出す、ブルゴーニュに並ぶ銘醸地として、世界的に有名です。しかしながら、その魅力は高級ワイン、赤ワインだけにとどまりません。ボルドーでは、赤・白・ロゼ・スパークリング・甘口と多様なワインが造られていますし、現地でしか消費されないような小規模ながら実力派のワイナリーもたくさん存在します。

本記事では、ボルドーワインの楽しみ方に焦点を置き、その特徴に品種、評価の高い当たり年、さらに各付けまでを分かりやすく解説します。

1. ボルドーワインとは? 五大シャトーの左岸 vs. スター級シャトーの右岸

ブルゴーニュ、シャンパーニュと並ぶフランス三大ワインのひとつ、ボルドーワイン。南西部のジロンド川流域に広がるボルドー地方は、川を境に「左岸」と「右岸」に分かれ、それぞれ異なる特徴を持っています。

左岸の代表は、ボルドーの名声を世界に知らしめた「五大シャトー」。右岸にもペトリュスやシュヴァル・ブランといったスター級シャトーがあり、川を隔てた左岸と右岸ではワインのスタイルが大きく異なります。

一般的には、左岸は力強く、右岸はエレガントな赤ワインと表現されます。ただし、絶対的なルールではありません。日本人全員が勤勉で礼儀正しいというわけではないのと同様、「左岸だから必ず力強い」「右岸だから必ずエレガント」と考える必要はありません。

ちなみに仏語で「お城」を意味するシャトーは、ボルドーのワイナリーを指す言葉です。つまり、小規模な民家のような場所でもシャトーと呼ばれることがあります。

約11万ヘクタールのぶどう畑から生まれるワインは、赤・白・ロゼ・スパークリング・甘口と多彩で、その生産量はフランス国内で生産されるワインの約15%を占めます。なかでも赤ワインはボルドーワイン全体の約85%を占めています。

どのタイプも複数のブドウをブレンドして、バランスの取れた味わいを目指すのがボルドーワインの特徴のひとつ。一方、ブルゴーニュでは、単一品種から造られることが多いのも特徴です。

2. ボルドーのブドウ品種と味わいの特徴

当地の赤ワインに使われる主な品種は、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フランなど。また、白ワインに使われる品種はカベルネ・ソーヴィニョンの生みの親(!)として知られるソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ミュスカデル、ソーヴィニョン・グリなどがあります。

ボルドーワインに使用される主な品種のざっくりとした特徴をまとめてみました。

ちなみに、完熟したワイン用のブドウは、どれも食用ブドウと同じように甘くておいしいです。ワイン生産者が口を揃えて言う「ブドウがおいしくなければ、良いワインは造れない」という理由に納得。

ボルドーでは、それぞれのブドウを醸造後にブレンドして仕上げるのが特徴です。これは、単体で作るよりも複雑な味わいになるためです。

例えば、ソーテルヌの貴腐ワインは、セミヨンに1/4~1/3のソーヴィニヨン・ブランをブレンドし、さらにミュスカデルを1~3%加えることで、味わいがより洗練されます。

百聞は一見にしかず。ワインに携わる方は、年に1度東京で開催される「UGCB(ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー)」主催のテイスティングでその違いを体感してみてください。一般の方も、ミュスカデル配合のものと非配合のものを比べてみると味の違いがわかるでしょう。

3. ボルドーのワイン産地、ブドウ品種とテロワール

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、ボルドーはもとより、フランスワインは、シャルドネやメルローといったブドウ品種ではなく、産地名で表記されるのが特徴です。「どうしてだろう?」と、疑問に感じたことがある方、実は少なくないのでは?

米カリフォルニアや豪バロッサ・バレーといったニューワールドのワインはブドウ品種で語られるのに、フランスを始めヨーロッパは産地名で語られます。

それは、なぜか?

フランスワインがブドウ品種ではなく、産地名で表記されるのは、同じ品種でも育つ場所や栽培方法、醸造方法によって味わいが変わることを示す「テロワール」の考え方によるものです。

テロワールというのは、他の言語に訳すことのできないフランス語。だからこそ、難しく、イメージがつきにくいのだと思います。

ややこしい気がしますが、次のように考えてみてください。

新潟産のコシヒカリと米国産のコシヒカリ。同じコシヒカリですが、箸で持ったときの感覚、食感、そして甘みが違うと思いませんか? これは、日本の新潟という土壌と気候、水、そして農家の人たちによるお手入れの仕方が米国のそれとは異なるから。これこそがテロワールという考え方なのです。

原稿を執筆中の現在、日本国内では、お米の価格がいまだに注目を浴びています。日本人の我々が日本産米にこだわるのは、無意識のうちにテロワールという概念が頭の中に実はあるから、なのかもしれませんよね。

……話が脱線してしまいそうなので、次に参りましょう。

4. 誰がどんな基準で決めたの? ボルドーワイン各付け小話

ボルドーのワインを小難しくさせている格付け。一級とか二級とか、いったい何? と、思ったことがある方、ぜひ読み進めてみてください。

価格が決め手!? 1855年メドックの格付け誕生秘話

ボルドーワインの格付け制度は、1855年に開催されたパリ万博にて、品質と価格を基準にメドック地区とソーテルヌ地区のワインを格付けしたことに始まります。現在でも「プルミエ・クリュ(1級)」から「サンクィエム・クリュ(5級)」までのランクを保持しています。

それを決めたのは? そう、時の皇帝ナポレオン3世です。この時に選ばれたシャトーは、現在でもそのランクを保持しています。

右岸サンテミリオン地区の各付け制度

サンテミリオン地区では、1955年より約10年ごとに格付けの見直しが行われています。毎回ドタバタ劇が起きるという、曰くつきの側面も。前回の2022年には、選出されたシュヴァル・ブラン、アンジェリュス、オーゾンヌが格付けから撤退するという出来事が話題になりました。

左岸グラーヴ地区の格付けはランクなし

グラーヴ地区は16のシャトーがAOCペサック・レオニャンとして認定されています。格付けはありますが、ランクは存在せず、1953年以降変更されていません。

ただし、どの格付けも「品質の絶対的な証明」ではなく、あくまで歴史や市場の評価を反映したものに過ぎません。

格付け外に眠る優れたワイナリー

●クリュ・ブルジョワ メドック地区で生まれた「クリュ・ブルジョワ」は、格付けには入らなかったものの、優れた品質を誇るシャトーを認定する仕組みです。手の届きやすい価格帯ながら、造りはしっかりしており、ボルドーワインを日常的に楽しむのにぴったり。

●日本未入荷 小規模ワイナリーの逸品 市場に出回らない小規模生産者のワインは、日本ではまだほとんど知られていません。こうしたワイナリーを現地で訪ねることは、輸入業者にとって新しいビジネスチャンスであり、ワイン愛好家にとっては特別な1本との出会いになります。弊社では、このような小規模ワイナリーにご案内することが可能です。

5. 当たり年とヴィンテージ

ヴィンテージというと高価なイメージがあるかもしれませんが、ワインにおいては、単に「ブドウが収穫された年」を意味します。グレート・ヴィンテージというのが、当たり年という意味を持ち、特に品質の良いワインができた年を意味します。

それでは、当たり年(グレート・ヴィンテージ)というのは、何が基準になるのでしょうか? 

天候に恵まれた年に造られたワインは、ブドウの状態が良いため、熟成に適した素晴らしいワインに仕上がります。したがって、そのような年にできたワインは熟成に適しており、世界的評価が高く、高値で取引される事に。これが、当たり年にできたワインということです。下記、ここ10年間の当たり年を表にまとめました。

しかしながら、天候に恵まれなかった2021年、2023年11月から雨続きで冷夏だった2024年度など、残念に思われがちなヴィンテージ。これらの年に造られたワインは総じてアルコール度数がそれほど高くなく、あっさりとした飲み口です。

長期熟成には適さないヴィンテージですが、フルーティーで軽やかな味わいは、早飲みに適しています。このような難しい年であっても、ワインメーカーは工夫を凝らして醸造を手がけており、当たり年に勝るとも劣らない出来になるケースもあり得るということを、忘れないでいただきたいと思います。実際に、そのようなワインをご紹介することも可能です。

不利な状況を好転に活かした事例は、ワインに限らず色々な分野で見受けられます。

「失敗は成功のもと」ではありませんが、当たり年という言葉に惑わされず、造り手のストーリーに耳を傾け、実際に味わってみることで、新たな発見があるかもしれません。

6. ボルドーワインの楽しみ方:選び方、テイスティング、購入の方法

自分でボルドーワインを選ぶとき

ボルドーワインを選ぶときに大切なのは「料理」と「シーン」、そして「好み」です。肉料理や濃厚なソースには、左岸のカベルネ・ソーヴィニヨン主体の力強い赤ワインがよく合います。一方、口当たりの柔らかい味わいを求めるなら、右岸のメルロー主体のワインがおすすめ。前菜や魚介料理には、爽やかな酸味を持つボルドーブランや泡ワインのクレマンも選択肢に入ります。

とはいえ、仏語だらけの表ラベルはワイン初心者には難易度が高いのも事実です。商品のポップ、あるいは裏ラベルを読んで日本語で分かりやすく書かれているものを基準に選んでいくと、飲んでいるうちにご自身の好みのスタイルが分かってくるはず。

レストランでソムリエに選んでもらう

レストランでワインリストを渡され、少し困惑気味のあなた。素敵な食事の時間を演出する、ワインだけでなく空間演出のプロであるソムリエは、きっとこんなふうに提案します。

「もし肉料理がメインなら、しっかりとした骨格を持つ左岸のカベルネ主体のワインを。お肉の旨みとタンニンが見事に調和します。一方で、やわらかい口当たりや果実の甘みをお求めでしたら、右岸のメルロー主体をおすすめします。魚料理や前菜には、柑橘の香りが爽やかなボルドーブランを合わせるのも素敵ですね」

このように料理や気分に合わせて選ぶプロセスも、ボルドーワインをはじめ、ファインワインの魅力かもしれません。

テイスティングのコツ

グラスに注いだら、まずは色調を観察します。若いワインは透明感のあるボルドーレッド、熟成したものは濃いめのボルドーレッド、さらに熟成が進むと茶色っぽいレンガ色に近づきます。

ラズベリーやイチゴなどの赤い実のフルーツ、カシスやプラム、スパイス、さらには樽由来のバニラやチョコレートを感じ取ってみてください。一口含んだら、酸味・甘味・渋みのバランスを意識し、余韻の長さを楽しみます。

赤ワインの場合、ヴィンテージが5年以上前のものは、ボトルを開けてから1時間以上は空気に触れさせておきましょう。開けてそのまま飲むと「かたい」「ガシッとしている」「渋い」といった印象でも、空気に触れることで、香りが開き口当たりがよくなります。

ボルドーワイン購入時の視点

家飲みなどカジュアルに楽しむのなら、AOC(固有の特徴をもつ産地で、一定基準を満たして生産されたワインであることを保証するフランスの制度)という規定がついたもの、またはボルドーワインの規定に沿って製造された「ボルドー・シュペリュール」の2000~3000円代のものを選ぶのが良いのではないでしょうか。

ただ、何度も申し上げているように、ボルドーは地域別の味わいがかなり異なります。店員に聞いてみたり、スマホでシャトー名を検索してみたりすると、より確かな情報が得られるのではないかと思います。

ボルドーではこれから、2025年度のブドウ収穫が始まります。今年の夏は7月は比較的冷涼な日もありましたが、8月は総じて暑い日が続きました。今年は当たり年とワインメーカーたちは期待を寄せています。プリムールが楽しみですね。

BWC代表 鈴木 香穂里(©︎Kaori Suzuki BWC / 写真・記事内容・チャートの無断使用はお控えください / 2025年8月末日執筆)

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